愛されるために、ここにいる

映画は 誰かが作った人生である
けれど その映画を観て こころに起こる変化は
間違いなく自分のものだ
わたしは時々 そういうこころの変化に
とまどいを覚えてしまう
・・・あぁ わたしの中には こういう愛もあるんだ・・・
日々 目や耳に届く情報
わずかばかりの人生経験
当たり障りのない・・・日常の決断
こころに溢れかえるはずの感情は
そのほとんどが・・・眠っている
手元にあるこの愛は
ほんとに わたしが求めている愛?
ほんとに わたしが伝えたい・・・・愛?
ジャン・クロードの父親が
人生の最後に聞いたのは
愛するわが子が 自分を罵倒する言葉だった
人は 知らないうちに
モラルや 責任や 習慣という言葉の中に
それよりも もっと大切な
愛を 閉じ込めてしまう
閉じ込められた愛は
やがて 深い悲しみに変化する
悲しんでいる愛に
フランソワーズは泣いたのだ
愛が発する 小さな声を聞いた時
人は 重大な局面を感じる
愛の居場所を知ったからだ
その時に・・・素直に 愛を救いだせる
深い勇気がほしいと思う
愛は 悲しんでいませんか
愛は 悲しんでいませんか
チルソクの夏

この映画について ずっと書けなかった
それは たぶん・・・朝鮮人と日本人という
近くて遠い 遠くて近い民族のことを考えていたからだろう
書いては消し 書いては消し・・・
薄い靄の中 見知らぬ道をさまようように
文章は いっこうにまとまらない
それでも こうして書いているのは
わたしの こころの中から 何か・・・・大事な
灯りのようなものが 消えなかったからだ
どれくらい時間を費やしたかわからないけれど
ある時 ふと気がついたことがある
それは すごく当たり前のことで・・・
愛し合うのは
民族と民族ではなく 人と人なのだ
・・・ということ
人と人とが愛し合うということは・・・・
あなたを創ったものすべてを 愛するということ
そして そういう自分を 認め受け入れるということ
お互いに自分自身を すべて受け入れることができたら
立ちはだかる障害たちは 「障害」という名前から
ふたりの絆を深めるための ひとつの「みちのり」に変わる
4年後に再会しようと約束したふたりは
結局 再会できずに・・・25年の月日が流れる
25年という時間は アン君と郁子の「みちのり」・・・
郁子のモノローグが流れる
「私たちは 約束を守らなかったのではなく
未来に こんな再会が待っていることを 信じていたのだと思います」
わたしのこころに ずっと揺らめいていた灯りは
時間という魔法が残す 未来への贈り物だったのかもしれない
恋人までの距離(ディスタンス)

もし・・人生が旅だとするなら
旅の列車の中で
行きずりに出会う人の中に
運命の人がいるかもしれない
今はただ 行き先が違うだけ
長距離列車に乗り合わせた人々は
それぞれ 別々の目的を持って
別々の目的地を目指している
その列車は
目的地へ行くために たまたま・・・・
選んだ列車なのだ
ともに生きるということは
ともに歩くということ
ウィーンの夜を
ともに歩くセリーヌとジェシーは
出発までの短い時間に
長い長い 人生の時間を凝縮させる
凝縮された時間は・・・想いは
色あせることはない
場合によっては
しだいに密度を増してゆくことさえある
こころの核・・・のように
それから9年後の製作・・・という続編は
9年という現実の時間が
さらにリアリティーを深める
しかし 続編においても
未だ 旅は終わらない
ふたりの旅は まだ続く
・・・・・・続いてほしいと思う
たとえ ふたりが
同じ目的地を目指し 同じ列車に乗ったとしても
人は いつまでも
恋人どうしでありたいと思うから
ロスト・イン・トランスレーション

ロスト・イン・トランスレーション・・・
これを直訳することが つまり
ロスト・イン・トランスレーション
言葉の通じない世界 想いの届かない関係
失われてゆく・・繋がり
人はそれでも 誰かと触れていたいと思う
誰かと触れていることが人間なのだから
CM 撮影のために東京にやって来たボブが
親子ほど歳の離れたシャーロットに恋をしたのは
きっとこの 言葉の通じない東京で出会ったから
誰かがそばにいなければ
孤独に潰れてしまいそうな街
イルミネーションは 自分を主張するだけで
人の言葉を聞こうとしない
伝えたい言葉が
こころの中に充満して・・息苦しくなる
最後に ボブがシャーロットを抱きしめた瞬間
二人のこころに満ちていた 声にならない言葉たちが
空気に溶けるように開放される
そして 観ているわたしのこころも・・・ほっと息をつく
本国に帰っても
二度と出会うこともないだろうボブとシャーロット
けれど 二人のこころに
二度と消えることのない東京
二人のこころはいつまでも 東京で繋がっている
繋がりを見失った街で・・・
ロスト・イン・トランスレーション
失われた意味が わたしのこころに残る
君に読む物語
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想い出が少しづつ
君からこぼれてゆく
だから
君が想い出すまで
・・・・僕は読む
ふたりの愛が失われたわけではない
ただ
アリーの記憶が・・・こぼれてゆくだけ
だからノアは
アリーに読みつづける
ふたりの物語
何度も 何度も
昨日の記憶も残っていないアリーに
また今日もノアは
ふたりの出会いから読み始める
誰よりも愛しているから
惜しみない愛情が・・・・せつない
あれほど惜しみなく わたしは
誰かを愛せるのだろうか
いや・・・愛したいと思う
奇跡の結末
わたしのこころに残るのは ハッピーエンド
失われる愛など きっと何処にも無いのだ
フィアレス
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最後に マックスが
妻の声に振り向いてくれてよかったと思う
もし あのまま行ってしまっていたら・・・きっと
わたしは この映画を 好きになれなかったろう
向こう側の世界は 本人さえも見ることができない
航空機事故から生還して ヒーローになったマックスのこころにも
恐怖のはてに 大きな傷があいていた
マックスは
自分と同じように 傷が癒えない人を・・命をかけて助けようとする
しかし 人と関われば関わるほど
出口は遠くなっていく
現実の世界でも 多くの人々が 同じようなことを経験した
そして・・・・生きてきた
・・・暗闇と傷跡を抱きしめながら
自らの暗闇と傷跡を抱きしめるには
愛と希望が必要だ
この映画は 愛の映画だと思う
愛することは 生きること
愛することは 生きること
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