Rain

わたしには ときどき・・・手が付けられないほど
膨れ上がる感情に揺れる時がある
その感情の発信源は
わたし自身が認識しているわたしよりも
もう少し深いところにある・・わたし自身のこころだ
手が届きそうで・・届かない
きっとわたしは
こころの奥にいる 本質的なわたしを
知識や理性で いつも抑え込んでいるのだろう
つまり ここにいるわたしは
本当のわたしではないのかもしれない
人は 出口が見えなくなったとき
奥の方に隠れていた想いが溢れだす
人生の岐路・・・というドアを
開けることが出来るのは
ほんとうの自分
自分らしい自分がドアを開けるからこそ
ドアの向こうには 新しい世界が広がるのだ
六つのドアが
新しい世界に向けて いっせいに開かれる
未来が・・・どう展開してゆくのかは
誰にもわからない
ドアが開いたところで 映画は終わる
大事なのは
ドアを開ける・・・ために降ってきた
ほんとうの自分のこころ
こころの奥にいる
ほんとうの自分を・・・解放することなんだろう
天国の青い蝶
![]() | 天国の青い蝶 ウィリアム・ハート (2006/06/23) アミューズソフトエンタテインメント この商品の詳細を見る |
若くして がんに侵され
命を落とした人を知っている
そうかと思えば・・・
末期がんの診断を受けながら
完全治癒した人も知っている
人の体は・・・神秘だと思う
いや 存在自体が神秘なのかもしれない
青い蝶も 甲虫も キリギリスも・・・・
存在する命のすべてが 神秘なのだ
余命数か月と診断された 10歳の少年ピートは
ジャングルの中を彷徨ううちに 倒れ
朦朧とした意識のうちに
光のような・・・シャーマンに出会う
生きようと願った 彼の意志がそうさせたのか
ひょっとして 本当にシャーマンが現れ
その槍の先で 魔術を施したのか・・・
彼の 脳を侵してきた腫瘍は・・・消えてしまう
青い蝶の罠にはまって
深い洞窟に落ちてしまうが
実は それは・・・青い蝶が導いた
奇跡に違いない
さまざまな命たちが
さまざまに連鎖しながら ジャングルは生きずく
無駄なものは 何ひとつとして無いはずだ
余分なものを切り捨て 排除しようとする人間は
このジャングルの中で・・・・自然の中で
・・・異質なのだろう
人の命も神秘なら
その体の中に生まれた・・・がんまでも
本当は 神秘だと思う
実話に基づいた映画であるがゆえに
なおさら・・神の計らい・・神秘を想う
ジャングルは 常に生きていて
多くの命たちのコーラスが聞こえてくるようだ
スクリーンに映し出される昆虫や爬虫類たちは
それぞれに表情があって 美しい
苦手な人は覚悟が必要かもしれないが・・・
ミュージック・クバーナ
![]() | ミュージック・クバーナ プレミアム・エディション ピオ・レイバ (2007/02/23) ハピネット・ピクチャーズ この商品の詳細を見る |
すべては変わる
人生じゃ 大抵のものは変わる
だが 決して変わらないものは 生き方だ
今日 明日 死ぬまで
自分に正直にいることだ
やましさを持たないこと・・・・それだけだ
最後に ピオ・レイバが言う言葉である
自分の生き方を見つけられないまま
流されるように 日々を送り
やがて・・ふり返ることも めんどうになる
「生き方」を見つけられないことは
「自分」を見つけられないこと
逆に言うと
「自分」を見つけることが
「生き方」を見つけること
歌手であり作曲家のオスダルヒアが言う
「自分を探してるの」
前へ進みながら 自分を探す人々は
自分の可能性の中に「自分」を探すのだ
若いオスダルヒアが
年老いたピオ・レイバの語る歌を 筆記する場面がある
皆に語ろう
いかに君が 私を愛してくれたか
そして 誰も
私の古い歌を聴いてくれなくなったら
はるかな村で
私の旅を終えて そこで死ぬだろう
若いミュージシャンたちは 自分たちの音楽を愛しながら
ピオ・レイバの歌や生き方も けっして忘れない
キューバの歴史や 彼らの歴史の上に
自分たちの音楽があることを よく知っている
生活や人生から 切り離せない音楽
キューバ音楽は きっと
彼らの生き方そのもの・・・なのだろう
だからこそ 映画から見えてくる音楽は
こころが踊るのだ
かもめ食堂
![]() | かもめ食堂 小林聡美 (2006/09/27) バップ この商品の詳細を見る |
「大事なもの・・入ってたかなぁ」
行方不明のスーツケースを思いながら
マサコがつぶやく
大事なもの・・・
人生の さまざまな時間の中で
誰かを守り・・・また
自分を守るための
こころの支えのようなもの
けれど 大事なものは・・・
いつか 姿を変え
その価値さえも変わってゆく
店主のサチエに
引き寄せられるように 集まってくる人々は
ここで しばし居心地のいい時間を過ごし
少しぶれた 人生の軸を修正してゆく
押しつけることもなく
求めることもなく
ただ自分と人を・・・・人の想いを信じて
日々を送る彼女が言う
「人はみんな変わっていくものですから」
サチエの 凛とした生きる姿勢は
健気でありながら 頼もしい
ちなみに かもめ食堂のメインメニューは おにぎり
「おにぎりは 誰かに作ってもらったほうが美味しい」
サチエの 亡き父の言葉には
わたしも賛成である
想いがこもったおにぎりは 確かに美味しい
しょうが焼き定食 とんかつ定食 それから
シナモンロール・・・
別に変わったメニューがあるわけではない
それでも 映画に登場する料理たちは
不思議に美味しく見える
天空の草原のナンサ
![]() | 天空の草原のナンサ デラックス版 ナンサル・バットチュルーン (2006/06/23) ジェネオン エンタテインメント この商品の詳細を見る |
こころのどこかにある 柔らかい場所
その場所が
何故 柔らかいのかもわからないけれど
時々 その柔らかい場所に触れるとき
あぁ わたしは まだ大丈夫なんだと・・・
不思議な安心感を覚える
子供たちがあんなに可愛いのは
大自然の中で生きているからだろうか
モンゴルの大草原の上で
命はみんな 平等に輝いているように思う
馬をあやつり 羊を追う 幼いナンサも
命を守るために ハゲワシの群れに向かっていく
犬のツォーホルも
魂のレベルでつながっているのだろう
冒頭の犬の埋葬の場面に
モンゴルの人々の
命への思いを感じる
子供たちの自然な仕草は
演技ではなく 日常生活の一場面だという
冬にはマイナス30度まで下がる
きびしい自然から
人々は 都会へ向かう
今だから撮れたのだと
あと何年かのちには 記録映画になると
ダバー監督は言う
人々の生活は変わり
住む場所も変わってゆく
しかし それでも
命の輝きは・・・子供たちの輝きは 変わらない
クジラの島の少女
![]() | クジラ島の少女 ケイシャ・キャッスル=ヒューズ (2004/06/25) アミューズソフトエンタテインメント この商品の詳細を見る |
少女パイケアが最後に語る言葉が
わたしのこころに 印象的に残っている
「わたしは預言者ではない
しかし 明るい光は見える」
人を導くことの出来るヒーローは
きっと 明るい未来を信じている
人々を 惑わさず
人々を 責めず
人々を 罰しない・・・ものだと思う
人々の足元を照らす ランプのような灯り
あるいは
人々の明日を照らす 灯台のような灯り
ヒーローは けっして
人々の行く手に 注文をつけない・・・と思うのだ
人は 引かれるものではなく
自ら進む・・・生き物だから
祖父コロの守ろうとしていた伝統を
誰よりも理解していたのが
少女であるパイケアだった
だが伝統は 女性を
自ら進むものだとは認めない
マオリを想う気持ち 祖父を想う気持ち
パイケアの想いが あふれ出した夜
彼女の想いに答えたクジラたちが
砂浜に打ち上げられる
クジラたちが
命をかけて教えようとしたもの
パイケアが
命をかけて守ろうとしたもの
マオリの言い伝えを コロが語る場面がある
「パイケアの糸を編み 我らの絆を強めよ」
まさに崩壊していこうとする
村人や家族の絆を
クジラとともに
もういちど パイケアが編みなおしてゆく
それは 未来を信じるヒーローの姿だと
わたしは思う
舞台よりすてきな生活

生活の中には意外と
小さな笑いが散らばっていて 同時に
小さな感動も 隠れていたりするものだ
誰かといっしょに 幸せになりたい人は
きっと そのことに気がつく
子供嫌いの劇作家ピーターが
プールで鼻血を流す場面には
思わず声を出して笑ってしまった
妻メラニーとの言葉のやり取りも
おしゃれで 暖かい
生活というのは 誰かとかかわること
そして 誰かと
分かち合うことだと思う
さまざまな感情や想い
大切な時間
分かち合える人がいるのは幸せなことなのだ
ピーターの闇の部分を象徴しているようなストーカーは
ピーターが 人と分かち合えない部分
しかし隣の犬の死が その闇を
いっきにピーターの中から消し去る
巧みに作られたストーリーは
ピーターの中にある「父親」を引き出し そしてさらに
「父親」でない現実を 突きつける
足の不自由な少女エイミーとの別れの場面に
思わず 目の奥が熱くなり・・少し哀しい
最後にピーターは 産婦人科の待合室で
妻メラニーと並んで座っている
その姿に ぬくもりを感じるのは
観ているわたしに メラニーとピーターの・・・・夫婦の
愛情が伝わってきたからだろう












